海の七月

 伝心 (ぶかぶかの上着)

ちょっと寒いな、と思っただけなのだ。震えたわけでも、口に出した訳でもない。なのに傍らに控えた男は何も言わずに軍服の上着を脱いで俺に着せた。ぶかぶかなんだよ。文句を言おうとした口をそのままつぐむ。よく知った匂いのする服は問答無用で安心するのだ。文句在るか。微笑む男に勿論異論など在るはずもなく。

「あったかい」

「よかった」

「……あんた寒そうだけど」

「問題ありません」

「返さないからな」

男は笑った。俺に向かって良く言う言葉をそっくり返したいような笑顔で。「太陽みたい」だな。







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体格差も萌え萌えです


(20110101)

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