海の七月

 びじょとやじゅう2 (お庭番と魔王次男 / 留守番中 / お庭番の後悔)

すがられると言うより殆ど胸倉を掴まれるような状況で

「どうにかしてくださいませ!」

と言われても俺にはどうしようもない。
困ったように目を細めながらぐるりと周囲を見渡せば、
メイドは頭以下わらわらと、護衛の兵士やら文官までもが皆一様に必死な眼差しで。

「ユーリ様はまだお戻りにならないのでしょうか?!」
「予定の日は過ぎているという話ですが、ご無事でいらっしゃいますよね?!」

事故があったような話は聞いていないし、
帰ってくる予定日と言うのも、まあ確かに一応聞いてはいたのだが、
あのバカがぐずぐずとずっと帰してやらなかった里帰りだろう?
しかもあの坊ちゃんの愛情あふれる「あの」家族だぜ?
しばらくは我慢させとけよ、などとは思ってはいても
こんな状況では口には出さない。

「ヨザック様…!」

だからそんな風にすがられても困るというか。

「――王が」

 あのバカがどうした。へえ……それで?

話を聞いて部屋に入ってそうして本気で後悔した。
笑い飛ばすにも、呆れるにも微妙な状況で、おもわず黙るしかなかったのだ。
いや、あんた一応獅子と謳われた男だろう?!
何だってそんな顔で、坊ちゃんの居ない部屋で、
いつも坊ちゃんが腰掛ける椅子の横の床にぼんやりと座り込んで。

判った俺が悪かった! 行くから! 迎えに行ってやるから! 今すぐに!







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マダオをこじらせてるよwww
ユーリ早く帰ってきてー!!
(20101008)

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